サトウキビの栽培から収穫まで

【沖縄と黒糖】

日本最大の黒糖の産地として名高い沖縄は、隆起した珊瑚礁の大地から成り豊かな太陽エネルギーが降り注ぎ、時には豊富な雨により大地を潤わされることで亜熱帯特有の自然が育まれています。
そのような豊かな環境で栽培された「サトウキビ」からつくられる「沖縄産黒糖」は「深みのある味わい」とともに大自然から与えられたビタミンやミネラル分が含まれることで、人気が高まっています。カロリー摂取の多い現代において、甘味料離れが進んでいる中、様々な栄養素を含む「沖縄産黒糖」は、21世紀に生きる甘味料といわれています。

【黒糖の産地と生産量】

沖縄では主に7つの離島(多良間島・小浜島・西表島・波照間島・与那国島・伊平屋島・粟国島)で黒糖の原料となる「サトウキビ」が栽培されています。離島では台風などの被害を受けやすいため、黒糖の原料となる「サトウキビ」の安定的な確保が毎年問題となっています。
22年度の黒糖の生産量は7島で約9,500トンです。

【キビの植付け】

サトウキビの植付けには「夏植え」「春植え」「株出し」の3種類があります。夏植え、春植えは「挿し木植え」という方法で、キビの枝を挿すことで栽培します。夏植えは1年半、春植えは1年かけて育て、いずれも春先に収穫します。株出しは収穫の後の株から発芽させ育てる方法です。ただし、地力の低下を避けるため、3年ほど続けた後は他の農作物(紅イモなど)を植える等して休ませたのち、夏に挿し木植えします。

サトウキビの植え付け

【収穫】

キビは気温が低下することで、成長が緩やかになり茎中の糖分が増加します。収穫は12月、製糖工場の操業にあわせて始まり、操業の終わる翌4月まで続きます。刈り取った後放置しておくと糖分が変化して品質を低下させるので、製糖工場の操業状況に合わせ収穫後なるべく早く製糖出来るよう計画的に収穫します。
大部分の地域で人力による刈り入れが行われています。「倒し鍬」で根元から刈り倒し、「脱葉鎌」で梢頭部(糖度の低い頂上の部分)を切り取り、更に葉や根など茎以外の全て取り除き、茎を束ねて搬出します。

収穫

【搬入】

製糖工場に搬入されたサトウキビは、品質と検査と重量測定が行われます。品質の良し悪しはサトウキビを搾った汁(搾汁液)の中からとれる砂糖の割合や製造のし易さで決まります。具体的な調査項目は
(1)ブリックス
(2)糖度
(3)還元糖液(砂糖が分解された成分。少ない方が良い)
(4)繊維分(13%程度。低い方が良い)
です。

『ブリックス』と『糖度』 「ブリックス」は搾汁液の中に溶けていて、乾燥させると固まる物質(可溶性固形物)の割合を指し、糖類の他に灰分やカルシウム等の栄養成分も含まれています。サトウキビのブリックスは20%程度です(ちなみにみかんは10%程度)。キビのブリックスの80〜90%が砂糖分で、この砂糖分の割合が「糖度」です。

搬入

【含蜜糖の製糖過程】

サトウキビは品質検査の後、細かく砕かれ圧搾機で絞りとられて「圧搾汁」と「バガス」に分離されます。「バガス(bagasse)」はサトウキビの絞りかすを指し、サトウキビの重量の25%位になります。製糖工場のボイラーの燃料として使われ、製糖工場で必要な電力を十分賄えるそうです。
「圧搾汁」はわずかな石灰を加えて加熱することで不純物が沈殿し除去します、不純物を除去した沈殿した「濾過液」を蒸気で減圧することにより低温で煮詰めて濃縮(最後は常圧・高温)、出来上がった溶液を攪拌しながら冷却することで結晶化し、黒糖が出来上がります。黒糖は30kgずつ箱詰めされ、品質検査を経て包装、出荷されます。こうして出来上がった黒糖はもとのキビの重量の14〜15%程度(この値を「歩留」と呼ぶ)となります。なお、沈殿成分で濾過後に残ったものは「フィルターケーキ」と呼ばれ、発酵堆肥にしてサトウキビ畑に戻されます。